
京都辻農園(株式会社辻富)
手間をかけておいしいものを作ることが農業
京都辻農園は味と品質にこだわったお米と筍を作り、全国から問い合わせが多数寄せられています。
今回はヤワタカラに認定されたこだわり抜いたお米や、「梨と思われるほど甘い」筍の作り方について米・食味鑑定士の資格を持った京都辻農園代表の辻典彦さんにお話を聞いてきました。
お米の栽培へのこだわりを教えてください

私がお米を栽培している田んぼは通常の8割しか稲を植えていません。隙間だらけです。この方法で稲作をはじめたときは、周りの方から「田植え機が不調なんじゃないか」とずいぶん心配されました。
しかし、隙間を開けて稲を植えることで、根元までしっかり日が当たります。
日が当たれば、稲は過度に上に伸びず横に広がって根が強くなって、たくましく育つのです。だから、台風がきても稲が倒れません。
収穫量も1.5倍になって、稲を植える量を減らしても収穫量は増えています。
これまでの稲作の常識では考えられないので、なかなか信じてもらえないのですが、稲1本1本が自然といかに共生し、稲本来の力をいかに引き出すかに力を注いでいます。
「米・食味鑑定士」の資格を持つ私が、米をきちんと区別し、その味の違いを鑑定した「食味鑑定米『石清水』®」は、これまでに「お米番付」最優秀賞や「京のプレミアム米」金賞をはじめ、数々の賞を受賞しています。ぜひ味わってみてください。
極上特大白子筍と一般的な竹の子の違い、こだわりを教えてください

私は筍を栽培しているというより筍にとって最も好ましい環境を作っています。
タケノコというのは親竹と地下茎でつながっていて、親竹の笹や地下茎に蓄えらえた栄養分が大量に送り込まれることで、ごく短期間で竹へと成長していきます。
そして、地表に顔を出して光を浴びた瞬間から、タケノコは「竹化」を始めます。根元は硬くなり、筋張ってしっかりしてきます。また、地上に出た部分は防衛本能で、自ら大量のえぐみを作り出し不味い食材となることで動物たちに食べられ続けないようにして、全滅を防いでいます。私たちが普段食べている「竹の子」はこのような竹化が進んでいるものです。そのため、食べるためには長時間のあく抜きをする必要があります。
しかし、あく抜きをすると、うま味まで全部抜け出てしまいます。そもそも、竹化は一番下の節から順番に起こり、タケノコは根元から順番に栄養分として糖分、旨味成分を蓄えていくので、旨味成分は根元だけに存在し、穂先には含まれていません。でも、頭を地上に出した「竹の子」の場合は根元にあった旨味成分を消費して竹化が起きるので、ほとんど旨味が残っておらず、食感的にも硬いため、「全く旨味成分を含まない穂先」の方が美味しいと言われます。
しかし、タケノコが光を浴びる前である全体が土の中に埋もれている間ならば、根元には大量の旨味成分が蓄えられています。この期間のタケノコのことを「筍」と呼びます。激しい成長力を持つタケノコを土の中に10日間もとどめたまま大きなつぼみとして成長させるには、今ある地下茎の上に新しい土の層をひたすら作っていく、例えるならグリーンアスパラに土をかぶせ続けホワイトアスパラに仕上げるのと同じ状態を毎年、毎年広大な竹藪全体に施さねばなりません。その結果、根元の旨味成分がいっぱいで柔らかい、そして土の中にいる間中蕾を膨らませて、旨味成分を蓄え続けるので、大きければ大きいほど美味しい筍が堀り出されるのです。中でも、1本で3kg、50cm以上の特大の白子筍は梨のような甘味があり、このような筍を量産可能なのは京都辻農園だけです。
自然に任せてはこのような筍はできません。人が手をかけてこそできるものです。ですから、私は筍を栽培しているというより、竹林の世話をしているのです。
※本記事では、穂先が地上にでた個体を「竹の子」、地上に出ていない個体を「筍」、これらの総称を「タケノコ」として表記しております。
ヤワタカラに認定された感想や展望を教えてください
ありがたく思っていますし、八幡市があちこちでPRしてくれたおかげで知名度も上がりました。今後ますますのPRに期待しています。それと同時にこのヤワタカラを通して、ふるさとを大事に思う人が増えればいいなと思います。
味や質にこだわり、手間暇をかけて作ったお米と筍は、京都辻農園のホームページから購入できます。ぜひ一度、こだわりのお米と筍を味わってみてください。


